拡張型心筋症と糖尿病は合併しやすい?たたかわないダイエットを決意
風呂は心臓に負担をかけるので、冬でもできるだけシャワーを使いました。
肥満が進行しているときに、自分の裸を鏡にうつすのは嫌なものです。
だぶついた贅肉にちらりと目をやりながら、
それでも私は「運動できないんだから、仕方ないじゃないか・・・。」と、
自分に言い訳していました。
妻から心配されて戒めを言われても、
「老人は、ダイエットできないでしょ。」などと逃げていました。
これは後で調べたことなのですが、
40代男性の肥満が20年前と比べて28%増なのに対し、
定年退職を迎えた60代男性の肥満は76%増と、突出しています。
女性に関しても20代の肥満者8%に対して、
60代では30%にも達しており、
今後高齢者の肥満とダイエットは、大きな社会問題になるだろうと思います。
ここでその解消法には言及できませんが、いわば私は定年退職者が
家に引きこもったような生活をしていて、肥満が進行したとも言えるわけです。
拡張型心筋症と糖尿病は合併しやすい?
数ヶ月が過ぎ、何回目かの定期検査で主治医に、
「甘いものを食べ過ぎていませんか?」という質問をされました。
和菓子、チョコレート、ケーキなどを毎日食べていないか、ときくのです。
私が否定すると、中性脂肪値が高すぎ、
これで血糖値が上がれば、糖尿病だと言うのです。
「血糖値は低いのですか?」と私がたずねると、
糖分を取りすぎると血糖値は下がるらしく、
肥満である限り、糖尿病は時間の問題だと言われました。
「肥満は運動できない病気だから・・・。」と、
私が返すと医師は少し黙ってから、
「再入院しましょう。」と答えました。
この時の方がショックでした。
はじめに死亡率の高い病名を告知されたときよりも、
もう一度入院を繰り返すことの方が、
私にとっては、はるかに大きいダメージを受ける衝撃でした。
あわてて食事療法で痩せます、
と医師に懇願し、その日は返してもらえました。
この時からでした。
私が真剣にダイエットを考えるようになったのは。
それから私は、たたかわないダイエットを敢行し、
結果としては中性脂肪値は下がり、
糖尿病という合併症も回避することが出来ました。
けれど、何よりもうれしかったのは、心機能が回復してくれたことです。
「特発性拡張型心筋症」とは特定疾患に指定されているので、
医療費補助の審査があるのですが、2004年9月の更新時に、
審査の対象外となりました。
主治医に言わせると心エコーの結果、
心臓の肥大は標準値まで下がり、会社の健康診断でも引っかからないほど、
劇的に回復しつつある、のだそうです。
このとき妻が泣いて喜んでくれました。
そして私の入院中、ZARDの「明日もし君が壊れても」を
よく聴いていて待っていてくれたと知ったとき、
曲を聴いて私も涙が止まりませんでした。
医学的には肥満の解消が、
心臓病治癒の直接的原因とは言えないのかもしれません。
けれども、私にとって闘病生活とダイエットは、
切っても切り離せないものとなったのです。