拡張型心筋症のカテーテル検査は怖い!心筋の一部を取り出す手術

40歳の春、私は突然呼吸が苦しくなり、
レントゲンを撮ると肺に水が溜まっていて、
診断は「心不全」でした。

 

検査入院と一週間の自宅療養を勧められましたが
、重労働ではない、という理由で、私は仕事を続けました。

 

利尿剤と降圧剤を服用しながら、それから1年ほど
、私は自分をだまし続けました。
けれど、手足はむくみ、血行不順で突然つったり、
また、動悸は激しく、就寝前は不整脈の鼓動が耳の奥で響きました。

 

心不全の特徴として、「横になっているより、座っている方が楽。」
という症状があり、医師に指摘されて、当たっていたので、
驚いたことを覚えています。

 

拡張型心筋症を決定付けるカテーテル検査とは?

 

そういった症状に悩まされながらも、私はずっと、
精密検査を避けていましたが、ついに、
日赤の循環器科に検査入院する運びになってしまいました。

 

それはカテーテル検査といって、ワイヤー状の細いチューブを血管に通し、
心臓に造影剤を注入し、心筋の一部を検査用に摘出する、
といったものでした。

 

こうして文章にしているだけでも怖いので、
当時私が1年も検査を受けなかった理由が、
少しは分かっていただけるけるでしょうか?

だって、「腕の血管からワイヤーを突っ込んで、心臓の一部を、取り出す。」
のですよ・・・。

 

一応、全身麻酔だったのですが、意識はあって、
「ショッカーの改造人間手術」とそっくりの風景だったことを、
おぼろげに覚えています。

 

これは冗談じゃなく、ホントなんです。

 

なにやら暗い手術室には、空宙に数台のモニターが並び、
赤や、緑のランプが明滅するなか、動けない私の右腕だけが、
スポットライトに照らされている状態だったんです。

 

数日後に出た、検査の結果は最悪でした。

 

主治医から告知された病名は「特発性拡張型心筋症」でした。
診断されてから5年生存している人は53%、
10年生存は22%とされている難病で、
国の特定疾患にも指定されています。

 

(参考 → 特発性拡張型(うっ血型)心筋症 )

 

これはかなりショックだったはずなのですが、なぜか、あまり覚えていません。
思い出さないように、記憶が抑圧されているのかもしれません。

 

ただ、何かあきらめに似た、静かな、不思議な感覚で、
やたらと昔のことばかり思い出していたような気がします。