ミトコンドリアサプリの効果は若返りではたちに戻れるのか?

スポンサーリンク

「熱力学の時間の矢」をむずかしく言うと、
「エントロピー増大の法則」のことで、
「熱力学の第二法則」とも呼ばれています。

 

簡単に言うと、「物事はすべて乱雑に向かう。」
ということで、もっと簡単に言うと、
「形あるものはすべて壊れる。」と考えてもらえば良いと思います。

 

つまり、この宇宙の森羅万象は、常に変化しつづけ、
崩壊へと向かう、という法則です。(ブッダは「諸行無常」と呼びましたが。)

 

私たちが歳をとって疲れやすくなったり、やがて老いて死んでいくのも、
この法則に当てはまっています。

 

それでは、「なぜ中年になると太るのか?」という問いに話を戻すと、
「体細胞老化による基礎代謝量の低下」が挙げられます。

 

「なんのこっちゃ、分からん。」...(^^;)だと思いますので、
自動車を例にたとえてみます。

 

--------------------- 例(れい) ---------------------------

 

たとえば、ピカピカの新車を買って、10年間かけて、30万キロを走行した、
とします。
当然、走りつづけた車は、つかれ果てた「ボロ」になります。

 

私たちも20代のころから、ん十年という時間を何もしないで、
今ここにいるわけではありません。
そのあいだ、ずっと生き続けてきた、つまり走り続けてきました。

 

どんなにお金持ちで、のんびりと暮らしてきたとしても、
寝ている間も呼吸をし、心臓を動かし、
体温を維持したりするエネルギーを、絶え間なく消費してきたのです。

 

この生きているだけで最低限必要なエネルギーのことを、
基礎代謝と呼びますが、これだけで私たちは、
実に人生の全エネルギーの80%を消費しています。

 

ですからお金持ちか貧乏か、苦労したかどうかということは、
「老ける理由」とほとんど関係ありません。

 

そして、車がガソリンを爆発させて、エンジンを動かすように、ヒトの体も、
エネルギーを爆発させ続けて、筋肉や循環器を動かしています。

 

また、車が走り続けることで、エンジンを磨耗させて古くなるように、
ヒトの体も、エネルギーを爆発させ続けることによって、
みずからを傷つけてしまい、古くなってしまいます。

 

エンジンは古くなると駆動エネルギーの効率が落ちて、
燃費が悪くなりますが、ヒトの体の「エネルギー生産器官」も
古くなると効率が落ちるので、細胞、一個一個の働きが悪くなります。

 

これが「体細胞の老化」であり、基礎代謝の低下を招きます。
代謝が落ちるということは、カロリー消費量を下げるので、
余ったエネルギーは、脂肪として蓄積されてしまいます。

 

これが、「中年になると太る理由。」です。おしまい

 

------------------- 例(れい) おわり ------------------------

 

「じゃあ、その“エネルギー生産器官”を治せばいいじゃん。」
ということになりますが、そう簡単にはいきません。
何しろその器官の数は、ハンパじゃありません。

 

少なくても、10,000,000,000,000,000(1京)個以上は、ありますから。
(京(けい)って、いくつだか。...(^^;))

 

ヒトの体細胞60兆個すべてに、数百と存在する「エネルギー発電所」。
それが、細胞内小器官「ミトコンドリア」です。

 

ミトコンドリアと中年太り「なぜ中年になると太るのか?」
→ 「細胞の老化が原因。」

 

ということなので、さらに突っ込んで、
「なぜ、細胞の老化が起きるのか?」について追求したいと思います。

 

順を追って、「ミトコンドリアがしていること。」から、
説明していきますが、正確を期すため、
むずかしい専門用語を、避けて通れません。

 

とりあえず流し読みをして見てください。...(^^;)

 

また、ミトコンドリアは「発電所」とよく似ているので、これにたとえます。
まず、ミトコンドリアは食べ物に含まれている“水素”と、
呼吸に含まれている“酸素”を反応させています。

 

これを発電所でいうと、燃料を燃やしてエンジンを動かしています。
このエンジンを「電子伝達系(でんしでんたつけい)」と言います。
エンジンの動力は発電機を回して、電気を発生させます。

 

この発電機を「ATP合成酵素」と呼びます。
また、発生した電気そのものが、「ATP(アデノシン三リン酸)」です。

 

ATP(Adenosine TriPhosphate)とは、
別名「生体のエネルギー通貨」と呼ばれているほど、
生物にとって重要な物質です。

スポンサーリンク

そして、発電所には、電気を貯めておくことができません。
電力需要に応じて、発電量を常に変動させています。

 

このATPという物質も同様に、貯めておくことができないので、
ミトコンドリアは、体が欲するエネルギー(ATP)の必要量に応じて、
水素と酸素の反応を、早めたり、遅くしたりしています。

 

たとえば、「走ると、呼吸が早くなり、心拍数があがる。」
「休憩すると、だんだん収まってくる。」といった、
日常的な生体活動の仕組みはみな、
ミトコンドリアの活動を反映していると言えます。

 

つまり、ヒトの体全ての代謝活動に、
エネルギーを供給しているのがATP、
生産しているのがミトコンドリアというわけです。

 

さてところで、はしょって「水素と酸素の反応」などと、
スラリと書きましたが、これって実は、
ロケットエンジンの爆発に匹敵する、凄まじいエネルギーです。

 

あの、スペースシャトルも、液体化した水素と酸素を燃料にしています。

 

そのまさに「爆発する化学反応」を、
ミトコンドリアは37度(体温)という超低温で調節しています。

 

そのため、どうしても「電子伝達系」という
エンジン部分から「電子の漏れ」が生じます。
漏れた電子が酸素分子に渡されると、「活性酸素」を生成します。

 

リンゴの皮をむいてしばらくすると赤く変色しますが、
これは空気中の酸素によって、酸化したためです。
「活性酸素」とは、空気中酸素の数十倍の酸化力を持つとされています。

 

身近な「活性酸素」といえば、除草剤などに使われるパラコートがそれです。

 

これによって生じた「活性酸素」を人が吸い込むと、
死んでしまうほどの猛毒です。
この「活性酸素」が、ミトコンドリア自身のタンパク質や脂質を攻撃、
破壊してしまいます。

 

さらには、ミトコンドリアが持つ遺伝子も、変異させてしまいます。
変異したミトコンドリアDNAは、正常なコピーができなくなり、
エネルギー(ATP)の生産を妨げるだけでなく、
「さらに電子が漏れやすいエンジン」を作ってしまいます。

 

この繰り返しが時間をかけて蓄積されることこそ、
「老化の原因」であるとされています。

 

医学の世界では、「老化におけるミトコンドリア遺伝子変異蓄積説」
と呼ばれており、広く支持されているそうです。

 

中年太りもまた、正常に機能しなくなったミトコンドリアが、
糖や脂質の代謝を悪くしてしまうことが原因、とされています。

 

中高年の時間旅行

 

さて、長々とミトコンドリアの解説をしてきましたが、
肝心の“中高年のタイムマシン”は、どうやって作るのでしょうか?

 

前のなぜ中年は太るのか?で話した、「新車を買った話」を思い出してください。

 

これで言うと、「30万キロ走行したボロ車を、
新車に戻すことは可能でしょうか?」という質問に通じます。

 

こたえは、「車の全てをオーバーホールすれば、可能です。」

 

なぜなら、「修理とは壊れた部品を直すこと。」ですが、
「オーバーホールとは壊れているいないに関わらず、
すべてを新品同様のコンディションに戻すこと。」だからです。

 

ヒトの細胞は約60兆個あるとされています。
さらにその一個一個に、ミトコンドリアは数百個、存在しています。

 

もしそれら全てを、「オーバーホール」できるとしたら、
それを時間旅行と呼んでもいいのではないでしょうか。

 

中高年を、「20代のコンディション」に戻してくれるなら、
それを“タイムマシン”と呼んでもいいんじゃないでしょうか?

 

「よくない。呼びたくない。」という人は、最新の量子論を読んで、
勉強して下さい。...(^^;)
(確実性の終焉 -時間と量子論  I.プリゴジン著)

 

「呼んでもいい。20代のコンディションに戻りたい。」という人には、
お楽しみな事実をお伝えします。

 

最近話題になっている、コエンザイムQ10、αリポ酸、L-カルニチン。

 

これらはすべて、ミトコンドリア内に存在して、
ATPの生産に関与する物質です。
しかもすべて、20代をピークに減少し続けているので、
中年太りとは非常に深い関係にあります。

 

なので、「中高年に良い。」というより、
「中高年にしか効果がない。」とまで言われているほどなのです。

スポンサーリンク