肥満遺伝子の種類は主にβ2AR・β3AR・UCP1の3種類がある!
「肥満の原因は?」と聞かれてまず思うのは、運動不足。
そして、食べすぎ、生活習慣、といった順でしょうか。
でもこれら要因はすべて、自分の意思によって、改善できます。
だから、ダイエットに失敗するのは、意志が弱い。
などと、精神論を語ったり、落ち込む自分がいたりします。
でも果たして、肥満の原因とは、すべて本人の意思で改善できると
言い切れるのでしょうか?
ちなみに、消費カロリーの多くをしめる基礎代謝量は、
性別・年齢・体重などのデータから割り出すので、
日本人である限り、数値は変りません。
けれども、まったく同じデータであっても、
民族・人種が違うと、基礎代謝量は変わってきます。
世界的に見て、日本人は放っておくと、
肥満になる確立が高い、という報告もあります。
ここでは、あまり知られていない肥満の原因、遺伝子要因について考えます。
なぜなら、あなたがもし肥満ならば、
それはあなたのせいだけではない、かもしれないからです。
そして、あなたの肥満は、あなただけの問題では、
済まされない、かもしれないからです。
肥満を決める DNAとは?
痩せているのに、めちゃくちゃ食べる。「そんなに食うか?」と思うのに、
なぜか痩せている。
あなたの身近に、そんな「やせの大食い」はいませんか?
また、太ってるいるけど小食。「こんなんで、大丈夫?」と思うくらい、
食べないのに、なぜか太ってしまう。
あなたは、そんな「太る体質」だと思ったことはありませんか?
最近の研究でこれは、遺伝子(DNA)との関係が深いことが、
明らかになっています。
もともと人類の500万年の歴史は、そのほとんどが「飢え」との戦いでした。
きびしい自然環境、食料事情の中で、いかに効率よくエネルギーを蓄えるか。
そして、飢えをしのいで生き延びるか。
それが長い間、人類にとって、何よりも重要な課題だったのです。
その過程の中で、人類の体内には余ったエネルギーを、
いざという時のために貯めこんだり、なるべくエネルギーを消費しない。
といった仕組みが、自然に備わっていきました。
これが、アメリカの学者ニールが予言した倹約遺伝子
(Thrifty gene theory /J.V. Neel、1963年)です。
もともとニールはこの遺伝子を顕微鏡かなにかで、発見したわけではありません。
文明の急速な発展と共に、比例して多発してきた、
肥満症や糖尿病といった現代病。
ニールはこれを、「飢え」の時代のなごりではないか、と考えたのです。
もともと人体には、「飢え」に対応する倹約型の遺伝子が存在し、
文明発展のスピードに、遺伝子の変化がついてこれないため、
現代病が発生しているのではないか。
と仮定したのです。
今日ではこの考えが定説となり、その後、機器の発達にともない、
1994年には実際、「肥満遺伝子」なるものが発見されています。
また、倹約遺伝子を初めとする肥満関係の遺伝子は、
現在40種類以上が発見されています。
これらの遺伝子は、単体での関与が小さくても、複数の遺伝子が
組み合わさることで、肥満となる確率が高くなる、という事実が判明しています。