リバウンドに強くなる方法とはガマンしない戦わないダイエット!
突然ですが、少し余談をします。
もともと「科学」という考え方は新しく、
「仮定 → 実験 → 証明 → 結論」という思考プロセスを踏みます。
「当たり前じゃん。」と言う人もいるかもしれませんが、
長いあいだ西洋文明は、「神 → 善悪 → 戒律 → 結論」
という宗教的思考プロセスに支配されてきました。
地動説を唱えたガレリオ・ガリレイが宗教裁判にかけられ、
無理やり自分の非を認めさせられたあと、
「それでも、地球は回る。」と言った逸話は、あまりにも有名です。
つまり、宗教的思考プロセス絶対のころ、
「科学」などという考え方は、ただのバカ。だった時代があったわけです。
同じように今、科学的思考プロセスが絶対の時代、
「科学」そのものを妄信し過ぎているきらいが、あると思うわけです。
たとえば「歴史」も、「歴史科学」という思考プロセスを踏襲しますが、
発掘などで新しい発見があると、結論自体が変ってしまいます。
つまり、200万年前の地層から出土した化石が最古だから、
人類の歴史は200万年。
という結論が、500万年前の地層から最古の化石が発見されたから、
人類の歴史は500万年。
と、いったふうにいとも簡単に、300万年もの時を、飛び越えてしまうのです。
でも、これも「科学」です。
一方、科学的思考プロセスによる因果関係とは、「原因 → 結果」です。
これは同時に、「結果 → 原因」という、必然性を求める考え方です。
けれども私たちが生活している中で、「きのうがあるから、今日がある。」
という結果は絶対ですが、「今日があるから、必ずあしたがある。」
という予測は不確定です。
「科学」が絶対であるなら、
「今日という原因の先に、必ずあしたという結果が確定する。」
はずですが、実際はそうではありません。
この先は、不確定性原理とか量子論の世界に入っていきますので、
私の頭が事象の地平線を超える前にやめておきます。...(^^;)
要は、「科学」とは思考プロセスのひとつに過ぎない。ということ。
また、「結果」とは不確定要素を含み、ゆえに「原因」もまた、
不確定である。ということを言いたかったわけです。
つまり、「肥満の原因」も、「正しいダイエットのあり方」も、
時代によって変遷していきます。
ウェイトサイクリング現象になぞらえるならば、人の一生の中で、
繰り返してきたリバウンドには、それぞれの「原因」があったはずです。
にもかかわらず、科学の目を通した「ウェイトサイクリング」とは、
単純にリバウンドを繰り返してきた、「結果」。としてしか捉えられません。
「私たち中高年世代が中年太りになった理由。」それは、
今まで生きてきた人生の中で、
あやまちや成功を積み重ねてきた、「複合的な結果」です。
いわば、人生そのもの、と言ってもいいかもしれません。
ですから、それを否定するような原因探しをするよりも、これからの人生に、
より良い「結果」をまねく「今」、を考える姿勢が大切だと思います。
戦わないから リバウンドしない
前項で、ボクシングでの力石徹を話しましたが、
レスリングの選手は、試合の直前、数日間で、5kg 程度の減量をするそうです。
試合後には、ふたたび体重が急激に増えるため、
ウェイトサイクリングを起こしている。といえます。
これが、伸び盛りの若い選手に、悪影響を及ぼしています。
具体的には、基礎代謝が落ちて寒がりになる、
集中力が弱まり、飽きっぽくなる。という傾向が見られるそうです。
また、ホルモンのバランスが悪くなり、腎機能に障害が見られる。
といった例も報告されており、
アメリカのスポーツ医学会で問題となっているそうです。
このように、「勝利へのいけにえには、過酷な減量がある。」
という考え方は、最新のスポーツ科学では通用しなくなってきています。
ダイエットも同じで、「体重を減らすという勝利よりも、
いかにリバウンドしないか。」ということが、重要になってきています。
けれども、だからといってリバウンドを恐れるあまり、
肥満を放置してしまうのであれば、元も子もありません。
ですから中高年がダイエットを始めるにあたっては、
「短期間の“夏までダイエット”的な考えは捨てる。」
「停滞期に入っても、自分のペースを守る。」といったことを、心がけるべきです。
そして何よりこのサイトの主旨である、
「初めから挑まない、たたかわない。だから投げ出さない、リバウンドしない。」
といった考え方が、非常に重要なポイントになってくるわけです。